ストレートな国益指向

2009年10月12日(月)、体育の日。テレビ等では、民主党政権の前原国土交通大臣による、羽田空港(東京「国際」空港)のハブ空港化の構想が報道されていた。これは、民主党政権の方針を象徴的に表していて、わかりやすい。

要するに、民主党政権は、しがらみ等から自由になって、原理・原則に立ち返って、国益を追求しましょうと、そういう基本方針なのである。政治をシンプルに考えているのである。

以前、「国益」というと自由民主党の専売特許で、従来野党は「国益」というものにとりあえず反対しているというイメージがあった。少なくとも、国民の間では広く。しかしながら、自由民主党が言っていた「国益」というのは、実は「地域益」であったり、「選挙区益」であったり、「支持母体益」であったり、「役所益」であったり、そういうものを「国益」と言い換えていたと、今になればわかる。

今回の空港の問題にしても、日本がハブ空港の地位を外国に奪われるという危機感は、もう20年以上前から話題にされていた。古くは、シンガポールのチャンギ空港が、その地位を目指して着々と実現していった。最近では、大韓民国の仁川(インチョン)空港が、極東地域のハブの地位を得ている。日本がなぜそれに対して指をくわえてみているだけだったかというと、それは、成田空港を建設するときの事情を引きずっていたからであり、「国際線は成田」という時代遅れになってしまった原則を、その趣旨の再検討をすることも無く、維持してきたから。それ以上の理由はないだろう。いくら、東京都が羽田の国際化を訴えても、申し訳程度に近距離のチャーター便に羽田が開放されたに過ぎなかった。

羽田に国際線が乗り入れるようにして、ハブ空港の役割を果たせるようにするということは、現代の国益に適うものである。そうしないことは、単にしがらみの問題である。いろんなしがらみとか、各地域との約束とか、そういったものも大事ではあるが、それよりも国民全体の利益を優先させようと、前原大臣は言っているのであり、わかりやすい。

上に、「象徴的」と書いたが、つまり、一事が万事である。官僚政治を打破するというのは、あまり難しいイデオロギーの話ではなくて、一旦決めたことを何が何でも守る習性のある官僚の、誤謬を修正するという、極めてプラクティカルな問題なのであろう。それは、政治が(つまりは国民が)主導して官僚組織をリードしてやれば、官僚たちも動きやすくなることであって、それは大きく見れば、誰も困らないことなのではないか。いや現実には多少は困る人が出てくるであろうが、思考硬直化あるいは思考停止によって被る損害に比べたら、利益のほうが圧倒的に大きいのではないか。

民主党、地味なようでいて、なかなか小泉純一郎の郵政民営化などとは比較にならないほどの改革を実行する可能性がある。ついでに、過去数年間の馬鹿げた交通行政なども、改善されれば良いのだが。

© 2009, zig zag road runner.
2009年10月13日 午前01時03分


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やはり、「国益」という観点で論じている方が目立ちます。
前原国交相の羽田空港ハブ宣言を支持する


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