映画「スタートレック」(Star Trek)

日本での公開から1週間余りたった今日、映画の「スタートレック」を見てきた。

スタートレックの元祖は、テレビシリーズ。日本でも、1970年代から度々放送されていたし、最近ではデジタルリマスター版が、NHK-BSでときどき放送されている。
映画のスタートレックも何作かあったが、シリーズもの映画が陥る穴というか、段々とネタ詰まりになって、面白くなくなっていったことは否定できない。それに、テレビのオリジナルシリーズの出演者たちも、今ではかなりの高齢。オリジナルシリーズの俳優たちは馴染みがあって安心してみられる一方で、ビジュアル的にもきつくなってきた。

そんな状況で、今回、このスタートレックを見ようと思ったのは、「面白い」という評判を見た人から公開前に聞いていたから。なので、あえて、この映画に関する前知識を一切仕入れずに、劇場に足を運んだ。
見た結果は・・・ その人の言葉に偽りはなく、文句なしに面白かった。2時間あまりの間、全く退屈する場面がない。これほど退屈させない映画は久しぶりだ。

以下、少しネタバレがあり、注意。

ところで、私は、ちょっとした誤解(大きな誤解かも)をしながらこの映画を見ていた。何しろ、この映画に関する予備知識を一切仕入れずに見たから。そして、最後の場面。というか、もうストーリーが終わって、エンドロールが流れてくる直前、USSエンタープライズ号が写されて、聞きなれた言葉が聞こえてきたときだった。「Space ... The final frontier」。そうか! 誤解が生んだ自分だけの大どんでん返しは、意外な形でこの映画の印象をますます強いものにした。

非常に面白く、ストーリーも練られていて、CGも効果的で(といって、CGっぽく作ってあるわけではなく、自然に使われている)、全体的に完成度が高い映画である一方で、たぶんオリジナルのテレビシリーズを知らない人がこの映画を見ても、たぶんその面白さはよくわからないんだろうな、と残念に思う。マーケティング的には、そのへん、どうなんだろうかと、必要のない心配をしてしまうところであるが、まあ、そこは割り切って、オールドファンに向けた最高の新しい作品が届けられたということで、劇場で見ていた人たちの平均年齢も、かなり高めだった。それはそれで、良い。

ところで、映画の中には、大小の様々なネタもちりばめられていて、楽しい。 ウーラのファーストネームに関するエピソードとか(転送ルームでの、カークのちょっと落胆した表情!)。 レナード・ニモイが、重要な役で登場することとか(一方で、カーク役のウィリアム・シャトナーが登場しないのは何故だろう)。 「cheating」とキーワードに関わるエピソードとか(これには、ぐっと来た)。

それから、二つ折りタイプの携帯通信手段がこの作品の中にも出てくるが、これは感慨深い。TVドラマの中で何十年も前にデザインされた想像物が、今、世界で現実的に普及しているわけだから。この21世紀に現に使われている機器のデザインが、数百年後の地球にも受け継がれて、ということで、現実世界と虚構世界との間を行ったり来たりしながら、妙な形で一貫性が維持されている。

あとは、映画の本質とは関係ないが、ウィノナ・ライダーって、久しぶりに映画で見たな(スポックの母親役)。 あとは、割と、テレビシリーズの出演者の顔を基準にキャスティングがされてたと思うのだが、スールー役の人だけは、ジョージ・タケイに全く似てないのはどういうことだろう。

などなど、そんなことまで、含めて、楽しめて、幸せだった。

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